フォト
2016年9月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  
無料ブログはココログ

« プラスの想念の大切さ | トップページ | 電力の今後 -スマートグリッド社会- »

ブラックスワンが来る前に

3845kokuchou17_2 最近ニュースで、「直ちに体に影響を与える数値ではない」というフレーズを毎日のように耳にします。

「直ちに」ではないけど「10年後」には影響を与えるの?という不安をかえって感じる人もいるようです。

では10年後にはどの程度影響を与えるのでしょうか?

医療行為以外に一般人が浴びてよいとされている放射線の国際基準は、年間で1mシーベルトと決められています。

福島市の住民は毎日10-30μシーベルト/時の放射能を浴びてます。このペースで浴び続けると、年間では1mシーベルトの数十倍という基準値を「はるかに」超えた放射線をうけることになります。

それでも、ニュースに出演する教授や専門家は「安全」と語ります。

では、この国際基準は何の意味があるのでしょうか?

安全であれば、そもそも基準値は不要です。

TVに登場した「先生」は、影響を定量化した、以下のようは発言をされてました。

「100ミリシーベルトの放射線を浴びても、100人に1人しかガンを発症しません。日本人の3人に1人はガンになります。つまり、放射線を被曝しなくても、100人のうち30人がガンになるのだから、騒ぎ立てるようなものではない。」

なるほど一考、論理的です。

でも本当に騒ぎ立てるものではないのでしょうか?

福島県在住の住民100万人は、確実に発ガン率があがることは、高々1%だからたいしたことではないのでしょうか?1%ということは、1万人が福島原発が原因で発ガンすることになります。

それは高齢でガンにかかって死ぬのではなく、5年後、10年後のまだ若い人に降りかかる悲劇かもしれないのです。

この「先生」の言うことが正当化されるということは、1万人の命など、たいした問題ではないとも聞こえます。

本当に「騒ぎ立てることではない」のでしょか?

1万人が多いか少ないか...私は十分大きなリスクだと感じます。

影響の定量化といえば、先日、コンサルティング会社から転身した最近著名な経済評論家が、原発のリスクについて、リスクを定量化することで、原発に過剰反応すべきでない、との意見を主張していました。

・原発での死者はチェルノブイリの事故だけで日本の原発の死者はゼロである
・火力発電の燃料を採掘する炭鉱では毎年崩落事故があり多くの犠牲者が出ている
・石油の採掘も危険な作業であり、メキシコ湾原油流出事故では多くの犠牲者が出た

だから原発は決して危険ではない、枯渇する化石燃料にかわって、国家の電力を担う原発は決して否定されるものではないと。

それに加え、「自動車の交通事故は、原発とは比較にならないぐらいの年間5000人以上の犠牲者がでていますが、だからといって車に乗らない生活はできますか?」とも。

「原発のリスクは冷静に考えるとかなり低い。我々は今回の事故を顧み、より安全な原発と共に経済を成長させなければならない」と主張する学者もいました。

論理的にこうした定量化された議論は正当化されそうですが、本当にそうなのでしょうか?

こうした議論には根本的な前提の欠如があると感じてます。

それは、「今までの経験」からリスクを定量化していることです。

今後は津波も想定して安全性を高めるのでしょう。

想定できる範囲ではある程度安全なのかもしれません。では、今後発生する震災はすべて想定できるのでしょうか?

ブラックスワンという言葉がかつてブームになりました。

白鳥は白いから白鳥でした。しかしある日突然黒い白鳥がやってきたことにより、白鳥は白鳥でなくなりました。

自然は、地球は、人間の英知を超えた存在です。

我々人間が地球の活動を完全に想定しコントロールできる、と考えるのは荒唐無稽です。

原発はそこに存在する限りリスクはゼロにはなりません。

原発が恐ろしいのは、リスク想定を超えた場合の影響が、日本という国家そのものの存在リスクになるからです。

今回の事故も一歩間違えれば、再臨界していた可能性もありました。再臨界して、6発の原発が爆発していたとしたら、国家機能が棄損していました。リスクを定量化して原発は安全だと議論している場合ではありませんでした。

次に新たなブラックスワンが舞い降りる前に、人間の力で完全にコントロールできない原発という存在を、代替エネルギー政策を通じて、真剣に見直すべきではないでしょうか。

« プラスの想念の大切さ | トップページ | 電力の今後 -スマートグリッド社会- »