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次世代のエネルギー政策

T060822h 最近ネットをみていると、原発賛成派と反対派の議論が活発に行われています。原発に対する考え方としては、

①原発を使わずして経済は成り立たない。今後も原発を推進すべき

②原発なんて危険なものは許せない。即時全廃。

③今すぐ止めれないが段階的に減らしていつかは廃止すべき

の3つに大別されます。

私は②に近いながらも③の論者ですが、①の原発推進派がまだもって主流派です。なぜなら、自民党政府、電力会社・経団連、そしてマスコミが数十年に渡り、こぞって進めてきた国策だからです。

また経済が第一優先の人々にとっても原発は必要悪との論調が目立ちます。

事故が起きる前、原発に反対することで議論が抹殺され、経済界には残れませんでした。「干される」というやつですね。

さすがに事故後は、そこまで強くはありませんが、識者、別名御用学者と呼ばれる人々は、今でもしきりに、「デマに注意」「当面健康に影響なし」「原発にかわるエネルギー施策はありえない」を連呼しています。

①の推進派の人は、原発のリスクは、他のリスク、例えば、飛行機事故よりも低いから安全であると主張します。

しかしながら、「リスク」には、自分で想定・覚悟できる範囲とそうでないものがあり、議論がごっちゃになっている気がします。

飛行機に乗るのは自分の意思です。確率はかぎりなく低いが、万が一をそれとなく自分で想定し、自己責任で搭乗します。

つまり、このリスクは想定できる怖さです。

しかし、今回の原発事故で被害を被った福島の人々は、自分の意思で被害にあった訳ではありません。

また、この地震のリスクは想定できる怖さでないところが恐ろしいのです。

原発は、放射能のことも含めて、素人には何も分かりません。

理解できない怖さなのです。

また、想定を超えた場合のリスクが大きすぎます。

今回4台ともメルトダウンして連鎖爆発してたらどうなってたでしょうか。

都市機能が停止したと思います。いわば、原発は、国そのものの存在リスクです。

原発は事故に備えて保険をかけるのですが、ロイズは一度断ったそうです。「活火山帯で地震大国の日本に原発はありえない」と...

化石燃料に頼れないからと、米国主導で、原発を推進したのですが、これだけ地震があり海に囲まれる日本に原発というのは、さすがにバランスを欠いた判断のような気がします。

原発推進派の人は、原発の発電コストが安い、それに対し、太陽光エネルギーは数十倍する、自然エネルギーが原発の代替など、ありえない、と主張します。

原発はKWあたり5-6円、風力は12-14円といわれてますが、この原発のコストには、国からの税金補助や事故時の対応費用、それに、使用後の核燃料の保管、破棄のコストが含まれていません。含めると倍になるといわれてます。

しかも、今回このような事故をおこしたので、今後、仮に原発を作るとしても、リスク対策と保険に相当な出費が必要です。

もはや、原発はコストコンシャスなエネルギーとは呼べません。

原発は建設してから大体40年という寿命があります。

今後日本に原発を増やすことは、経済合理性からも難しいでしょうから、すでに建っている原発はやがて老朽化し、結果的に原発は数十年後になくなります。

そもそも、原発開発には10年以上かかるのに対し、少子高齢化の日本においては、電気需要はこれから下がっていきます。この点からも、原発は必要がなくなります。

化石燃料もあと数十年で底をつくことから、次世代のエネルギー施策としては、自然エネルギーしかありません。

この自然エネルギー、日本では電力会社が否定的であったため普及してませんが、世界ではこの10年間に爆発的に伸びています。

風力発電の市場は毎年30%ずつくらい拡大していて、去年は世界全体で約2億キロワットです。原子力が約4億キロワットなので、風力はその半分まで来ています。

太陽光発電はまだ少ないながら、毎年60%ずつ増えています。

これからは、自然エネルギーを積極的に取り込む必要があります。

自然エネルギーは発電力が大きくなく、自然に発電量が左右されるため、不安定であるため、多用な自然エネルギーを分散配置することが必要になってきます。

そのためには、自然エネルギーの固定買取り制度(FIT)をより充実させること、そして、送電線の接続を保証することが重要になってきます。

ドイツなどのヨーロッパ諸国では自然エネルギーの買取価格が日本と比較にならないぐらい高く設定されています。そのため、個人、企業はこぞって、太陽光や風力などのエネルギー導入を進めています。

日本は発電、送電、配電が電力会社にて独占されてますが、分散型の自然エネルギーを導入・普及させるには、送電網を国のインフラとして自由化する必要があります。

NTTが、電話網の利用を開放したのと同じように、です。

今後は地方分権の元、自治体が、使う電力の種類と電気料金を住民の意思により決めるようになるべきです。

ある自治体は土地柄を生かし、風力発電で電力を多く作り、他の自治体に売電して予算をまかなう、といったことも可能になってきます。

これをローカルグリッド(地域別電力網)と呼びます。

ローカルグリッドの導入には国策が必要です。

ドイツは、炭素税を導入することで、自然エネルギーを進めて、27万人の雇用を生み出しました。

CO2を出す化石燃料から自然エネルギーにシフトさせるかわりに、炭素税を企業年金の補助に割り当てました。

アルバイトを雇っていても助成金がもらえないため、各企業は、正社員に雇用を切り替えた結果、25万人の雇用を創出しています。

国策一つで、雇用創出、経済活性化、自然エネルギー普及、の3つを同時に実現しました。

日本も、ドイツのような斬新な国策を打ち出すことができれば、次世代のエネルギーシフトが必ずできるので、ぜひ今回の震災を機に、きとんとした国策を打ち立ててもらいたいものです。


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