お笑い系のバラエティ番組は普段ほとんど見ないのですが、深夜に放送している「アメトーク!」だけは例外でよく見ています。
年末にはゴールデンタイムに進出。今年一番評判のよかった「家電芸人」の第三弾が放送されましたが、相変わらずとても面白かったです。
家電芸人は、最新の家電のすごさを、家電大好きの芸人が説明するのですが、中でも一番話題になったのは、東芝のパソコン「Qosmio」でした。
QosmioはTVパソコンですが、「顔deナビ」という、録画した番組の出演者の顔を一覧表にして、見たい出演者の顔をクリックすると、その出演者の登場シーンを再生するといった機能や、「ホットワード・リンク」という、番組の会話の重要キーワードに関連するHPをインターネットで検索するといった、ユニークな機能があり、出演者に驚きを与えてました。
こうした、番組のプログラムや内容を情報として捉え、利用者の嗜好にあわせたサービスを提供する製品は情報家電と呼ばれ、日本ではQosmio含め数製品しか存在しませんが、アメリカでは情報家電に人気があり、中でも「Tivo」は全米の20%の人が利用しています。
情報家電「Tivo」
Tivoは、テレビに接続し、番組を自動的に録画する機械です。また、電話回線に接続することで、Tivoのサービスセンターから全米の18000チャネルもある放送局の電子番組表(EPG)をダウンロードできます。
利用者はテレビのEPGで見たい番組を録画予約します。こういった機能は、日本の地デジ対応TVやケーブルTVと同じなのですが、優れているのはTivo社が開発した、付加価値の高いサービス機能にあります。
例えば、見たい番組ジャンル(テニスetc)やタレント名をセットしておくと、キーワードにヒットする全ての番組を自動録画してくれますし、シリーズ番組は、指定しておけば、最終話までの全番組を自動的に録画してくれます。
TiVoがなぜこれほど受けているかというと、地上波、ケーブル、衛星含め総数18000チャンネルにも上る米国において、視聴者が番組表から自力で好みの番組を検索するのは非常に難しいからだといえます。
日本では放送の規制により、米国ほどチャンネル数がないため、Tivoのビジネスモデルはそれほど歓迎されないでしょう。
事実、ソニーは2002年にTivoと同じ機能を持った「コクーン」を発売しましたがあまり売れませんでした。
しかし、このTivoのサービス&機能や後ほどでてくるyoutubeのサービスを検証することで、今後の通信と放送の融合における、課題と将来像が見えてきます。
CMモデルの崩壊
Tivoには、CMを自動的にスキップして再生する機能があり、利用者の大半はこの機能を利用しています。そのため、米国ではスポンサーのTV離れが深刻化しています。広告モデルに変化起きているのです。
また、Tivo同様、広告モデルに衝撃を与えているのは、youtubeです。
youtubeでは、倫理上許されるかどうかは別にして、放送された番組のほとんどが、放送後すぐにアップロードされて、いつでも見れます。
例えば、年末の紅白歌合戦を私は見ませんでしたが、年明けにyoutubeでチェックすると、既に登録済みでしたので、面白そうなシーンをいくつか見ることができました。
今や、youtubeには存在しない番組はほとんどないと言っても過言ではありません。検索すれば、過去の番組やドラマ、スポーツやニュースなど大概検索できます。
こうなると、youtubeさえあれば、画質が悪いのを気にしなければ、TVは見る必要がなくなります。
つまり、TVCMに高い金を払って広告を打っても、誰も広告を見ないようになるということです。
youtubeの進化
youtubeには、話題のTV番組だけでなく、CMそのもの、など多くのコンテンツが毎日10万本登録されています。
オバマ大統領が、選挙キャンペーン演説にyoutubeを利用した結果、100万人近くの応援団を無償で獲得できたのは有名な話です。
こうしたことからもわかるように、放送は、確実に通信、すなわちインターネットの世界に取り込まれて始めています。
当初は放送局がインターネットを取り込んで、例えばTVショッピングの商品をネット経由で注文させるなど、うまく活用しようとしていましたが、この考え方は逆であり、今では、インターネットが放送を飲み込もうとしています。
これからの広告モデル
これからは、ユーザが自分で選んで見たい番組コンテンツを、インターネットで見に行く時代に急速にシフトすることでしょう。
そして、コンテンツも有料タイプ(1番組100円など)のものと、広告がCMという枠でなく、適宜番組中に組み込まる(例えば、タレントがある会社の製品を番組中で使うと同時に、画面の下に商品紹介が表示されるetc)タイプのものに二極化していくと思われます。
従来のテレビ局がブロードキャストして配信していたようなプッシュ型ではなく、ユーザが自分の興味あるものだけを、自らの意思で見に行く、いわゆる「プル型の広告モデル」が主流になるのです。
Google寡占化の危険性
これからの時代、情報をユーザがいかに取捨選択するかが鍵になります。
そういう意味では、検索ポータルを押えているGoogle社がインターネットビジネスにおいて有利なポジションに存在しています。
Googleはyutubeを買収して、自社の持つテキストコンテンツの入り口だけでなく、動画コンテンツの入り口までも押えてしまいました。
そして、ユーザのプロフィールを収集し、ユーザの嗜好性にあった広告を配信する環境も手に入れました。
今ある電通や博報堂、ネット広告最大手サイバーエージェントなどの既存メディアの代理店機能も、いづれGoogleに奪われていくことでしょう。広告モデルのGoogleによる寡占化が始まるのです。
Googleは、ユーザをインターネットに呼び込み、嗜好にあった商品の販売サイトにナビゲートすることができるようになりました。
そして、ネットの入り口と広告を押えたGoogleが最後に狙っているのは、出口の重要機能である決済機能でしょう。
買い物をするための決済機能を全世界のネットショップサイトに提供できれば、Google+販売サイトの連携だけで、ショッピングがすべて完結できるからです。
実際、GoogleはGoogle Baseで決済機能のトライアルを過去に試みたことがあります。
決済機能までGoogleに抑えられると、ネット社会はGoogleの寡占化状態になります。これはオープンな社会をめざしたGoogleの目指すべきモデルなのかは疑問ですが、マイクロソフトに代わる寡占化の危険性がありますので、今後Google社のサービス動向には注目していきたいと思います。
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